
大事なテーマですね!
告白します。私コーヒー豆選びがすごい恐怖でした。QQ

わかります!
種類はいっぱいあるし、色々書いてあるけど、読んでもよくわかんないし、とりあえず値段が高いのが美味しいのかな、、?ぐらいしか。。

分かんないですよね!
そして一番困るのは、店員さんの声かけですね。
「どんな豆をお探しですか?」じゃないよって感じ。。
何が違うか簡単に教えてくださいーーーー!ってずっと思ってました。

種類が多いのに加えて、情報が多いんですよね。深煎りとか浅煎りだけならともかく、農園だの、処理法だの、地名だのなんだの、とにかく情報が多いんですよ。。

特にスペシャリティコーヒーが定着してきて、情報は一気に増えましたね。トレーサビリティの観点では重要ですが、今店頭で開示されてる情報のほとんどは、専門知識がないと読み解けないものが多いように感じます。

なので、今日はコーヒーの選び方、情報の読み方をお話ししていきます!
いっぱいあるコーヒー豆。お店の人に聞くのはなんか小っ恥ずかしいし、逆にどんな豆がいいですかって聞かれても、、、。何にもしていないのに悪いことをした気分になる逆質問。面接でもないのにこんな経験は嫌ですよね。
そんなあなたに、コーヒー豆の選び方を一から紹介。これを見れば、もうコーヒー屋さんで困ることはありません!!
コーヒーの情報って何がある?
まず、実際にどんな情報が見れるのかをみてみましょう!
(これはうちのコーヒーパッケージの例です)
販売時には別途POPをつけてお客さんに情報をお見せするので、全ての情報をまとめると下記になります。
国名:ケニア
地区名:ニエリ地区
生産処理場:キアンドゥステーション
生産農家:ムテカ農協グループ
標高:1800-2200メートル
等級:AA
品種:SL28/SL34
生産処理:フリーウォッシュド
焙煎度:浅煎り
テイスティングコメント:フローラル、クランベリー、グレープフルーツ
これだけの情報が、名前に入っています。
他には、標高や、バリスタ・ロースターのテイスティングコメントが入っていることが多いですね。
(名前に書いてなくても、スペシャリティコーヒーであればコーヒーの情報部分に絶対にこれらの情報は書きます)
細かいところはまたの機会に説明するとして、この中で特にインパクトが大きいのがこちら。
- 焙煎度:浅煎り
- 生産処理:フリーウォッシュド
次いで、違いが分かり始めると面白いのがこちらです。
- テイスティングコメント:フローラル、クランベリー、グレープフルーツ
- 国名:ケニア(地名なども見ても良いですが、パターンがありすぎるのでまずは国ぐらいでいいと思います)
- 品種:SL28/SL34(ここまで見始めると沼にハマるので注意)
コーヒー好きを謳っている方々も、これはびっくりではないでしょうか?
実は「国名/産地」って味へのインパクトで言うとそんなに高くないんです!「ケニアの豆が好きなんです」とか「ブラジルの豆が好きなんです」とかよく聞きますが、それよりも味に違いを与えるポイントは焙煎度と生産処理なんです!
コーヒー豆を選ぶときに見る情報の順番は、こちらです。
- 焙煎度
- 生産処理
- テイスティングコメント
- 産地
- 品種(おまけ)
上から順番に、コーヒーの味わいに影響を与える大きさ順だと思ってください。
まずは焙煎度で大まかな味が決まり、生産処理法で風味や口当たりの方向性が決まります。
その上で産地(標高や土壌など)が個性として乗っかり、最後に、品種によってはさらに個性が上乗せされる、というイメージです。
ただ産地と品種は難しいので、焙煎度と生産処理法を確認したら、まずテイスティングコメントを参照するのが私的にはオススメです。
まずは焙煎度を確認すべし

ここ、一番大事です。
焙煎度は、コーヒーの味の最も重要な部分を左右します。それは、苦味と酸味のバランスです。
どんな豆でも、浅煎りになれば酸味が際立ち、深煎りになれば苦味が際立ちます。
どんな豆でも、というのがポイントで、全く同じところで取れた豆でも、浅煎りと深煎りでは味わいがガラッと変わります。
違う飲み物レベルに違います。ココアとお茶ぐらい違います(いいすぎ?)。

浅煎りは紅茶のように軽く、スッキリとフルーツや花のような香り、
深煎りは重く、どっしりとキャラメルやチョコレートのような香りが際立つのも特徴です。中煎りはその中間ですね。
気分によって選ぶもよし、味の好みで選ぶもよし、ですが、
コーヒー豆を買うときはまず「焙煎度」を確認するのがおすすめです。
もっと細かく焙煎度について知りたい方はこちらをご覧ください!
そして生産処理を見てみよう

次にここです。焙煎度に比べると知名度の低い「生産処理」。
実はコーヒー豆は実を収穫した後に、生産処理を行い、発酵プロセスを通すことで、
コーヒー豆の個性を引き出し、品質を安定化させています。
コーヒー豆の個性を引き出し、と言いましたが、
この生産処理の方法によって、大きく味わいが変わり、それがまた別次元に違う味を生み出します。
お茶で考えると分かりやすいかもですが、緑茶、烏龍茶、紅茶って全然味わいが違いますよね?これって茶葉自体は同じで、発酵度が違うだけなんですよね!コーヒーも、発酵によって大きく味わいが変わります。
細かいのものをあげるとキリがないのですが、3つだけ紹介します!
これで、お店で見る情報の99%はカバーできるはずです(笑)。「ウォッシュド」「ナチュラル」「ハニー」です。

ウォッシュド
「ウォッシュド」はその名の通り、コーヒー豆を洗って発酵させる方法なのですが、
味わいや香りがスッキリし、酸味が際立つ傾向にあります。柑橘系の香りが特に強く出やすいですね。
ナチュラル
次に「ナチュラル」。これは天日干しすることによって発酵させる精製方法ですが、
コーヒーの実の果肉がついたまま発酵させるので、フルーティーな香りが移りやすく、甘いフルーツ感が際立つコーヒーになります。少し口当たりが重く、酸味も穏やかに仕上がるのが特徴です。
ハニー
最後に「ハニー」。中煎りみたいなものですね。笑 ウォッシュドとナチュラルの中間をとった精製方法で、両方の性質を受け継いでいます。イエローハニー、レッドハニー、ブラックハニーなど色々ありますが、いずれもウォッシュドとナチュラルの中間の味わいだと覚えていただくといいと思います!
もっと詳しく知りたい方はこちらもどうぞ!
続いてチートシート、テイスティングコメントを参照
スペシャリティコーヒーのお店であれば、テイスティングコメントは絶対についていると思います。
パッケージ情報だと、単純に「りんご」「グレープフルーツ」のような香りの名前や「シロップのような口当たり」「後味が長く続く」などの味わいについて一言コメントがついているものが多いですが、
お店で見るときには、文章でそのコーヒーの味わいを表現していることが多いんじゃないかなと思います。
例えばうちだと、以前売っていたエチオピアのウォッシュド処理のコーヒーをこう表現していました。
コーヒーというより、アールグレイティーのような味わいです。
豆を挽いた瞬間に、強烈な柑橘系の香りが辺りに広がります。爽やかなベリー系の香りに花畑のようなフローラルの香り、それに爽やかな柑橘感。そして後味に蜂蜜のような甘さが押し寄せます。すっきりした口当たりと穏やかな酸味で、何杯でも飲めてしまうコーヒーです。
こちらはブラジルですね。
チョコレートケーキのような、ナッツ・キャラメル系の甘さが特徴のコーヒー。香ばしく濃厚な香りで、よく味わうとオレンジのような微かな酸味も感じられます。
現在のラインナップの中で最も酸味が弱く、浅煎りの豆が苦手な方にもオススメです。
焙煎度と生産処理で買う豆の方向性を決めたあとは、こちらのコメントを見てみると大体欲しいコーヒーの情報は揃うかな、と思っています。
気になる人は、産地も見てみよう
産地に関しては、傾向を覚えるのがちょっと大変です。国名だけでも種類が多く、さらに農園による差も大きいので、、。
上で説明したテイスティングコメントを見るのが一番確実なので、まずはそちらを参照するようにしてください。
ただ、一応大まかに国(というか地域)ごとに傾向があるにはあるので、簡単に特徴を説明しますね!
産地、というか標高が大きく関わってくるのですが、標高が高いほど昼夜の寒暖差が大きく、豆にストレスがかかります。そうすると、豆が内部に栄養を蓄えようとして、コーヒーの味わいを決めるアミノ酸や糖分の含有量が多くなる、といった具合です。つまり標高が高いほど酸味が増し、よりフルーティーな味わいのコーヒーになりやすいです。もちろん土壌や降雨量なども影響するのですが、標高が一番インパクトが大きいかなと思っています。

まずはコーヒー発祥の地、アフリカ。
アフリカの豆ですが、代表ケニアやエチオピアは全体的に高い山が多く、酸味が強めでフルーティーな味わいになる傾向があります。(ただもちろん、焙煎度や生産処理の影響は強く受けるのに注意です)
次に、ブラジル。
南米、と一括りにするのが難しいのがブラジルの存在で、ブラジルは逆に全体的に標高が低く、酸味が穏やかでナッツやチョコレート感が特徴のコーヒーになります。
そして、中米。
中米は農園が新しい独自の取り組みをしていることがとっても多く、「こういう味!」と一括りにいうのが難しい地域ですが、花のような香りと、程々の酸味で飲みやすいコーヒーが多い傾向があります。スペシャリティコーヒー初心者にもオススメです。
ブラジル以外の南米。
コロンビアやエクアドルなどですね。アフリカ系と中米系の中間のような味わいで、中米系のもつ花の香りと、アフリカ系のもつフルーツ感が上手くバランスされている印象です。酸味は結構強いものが多いですね。
最後にアジア。
アジアも国によって異なってはくるのですが、代表的なのはインドネシア(マンデリン)です。強めの口当たりと独特な風味が特徴で、インドネシアだと土っぽくハーブのような香り、台湾だと烏龍茶やライチのような香りの豆があったりします!
昔よく聞いていた有名産地たち
ブルーマウンテン、キリマンジャロ、コナコーヒーなどは、スペシャリティコーヒーではないです。
これらは一般的にプレミアムコーヒー(地域特色の強い限定グレードの豆、自国内での基準で一定以上を満たす)と呼ばれるのですが、等級的にはスペシャリティコーヒー(国際基準のテイスティングスコアで一定以上のポイント&トレーサビリティなどが必要)の下に位置します。
もっと気になる方はこちらもご覧ください!
品種まで見始めたら、沼にハマるので注意

ここまでくると、オタクの領域(私の仲間)に入ってきます。
品種による差は、よっぽど特殊な品種でない限り判断が難しいです。
SL28、ウッシュウッシュ、ヴィジャサルチ、パカマラ、パライネマ、イエローブルボン、ゲイシャ、、、わけのわからない名前を無限に覚え続けることになります。
そんな沼に巻き込むわけにもいかないので、最近お店でもよく見る「ゲイシャ」種だけ簡単にご紹介しますね。
コーヒー屋さんで、たまーに一つだけえげつない値段で販売されているもの。
そのほとんどは、ゲイシャ種だと思ってもらっていいです。
100gの豆が800円ぐらいで売っている店で、ゲイシャ種だと3000円を上回ってきたりします。
パナマ、エスメラルダ農園が栽培に大成功して有名になった品種で、他とは一線を画す独特の花のようなフレーバーが凄まじいです。ゲイシャを飲んだ方のコメントは、世界共通で大体「スーパーフローラル」です。それぐらい、花です。
そして、基本品種はコーヒーの味わいの中ではおまけぐらいなのですが、ゲイシャに限り、例外的に焙煎度の次ぐらいに(生産処理以上に)味へのインパクトが強いです。
注意点として、ゲイシャってコロンビアでも、エチオピアでも、マラウイでもあるのですが、基本的にパナマ&コロンビアとエチオピアのゲイシャ、マラウイのゲイシャは品種が違います。なので「ゲイシャなのに安い!」と勘違いして買わないように注意ですね。(いや、それはそれで美味しいですけど!)

いかがでしたでしょうか?
コーヒー豆って情報がいっぱいありますが、この順序で見てあげるとスムーズに選べるかと思います!
焙煎度、生産処理、コメント、産地、の順番ですよ!お試しください〜
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